PICS-F とは
集中治療後症候群(PICS)の家族版
集中治療室(ICU)で治療を受けた患者さんには治療が終わったあとも継続的に後遺症が残ることがあります。これらの症状を集中治療後症候群(PICS)と呼んでいます。PICSの症状には身体的なもの、認知的なもの、精神的なものがあります。
その中でもPICS-FのFとはFamilyのことです。PICS-Fとは、PICSの中でも家族に生じる精神症状を表します。愛する人がICUで治療を受けることは、その家族にとって大きなストレスとなり、その影響は治療が終了した後も長く続くことがあります。
PICSは2012年に米国集中治療医学会(Society of Critical Care Medicine)により提唱されて以降、集中治療領域において関心を集めているトピックの1つです。
しかし、PICS/PICS-Fという言葉を知らない医療従事者も多く、一般の方にも広く浸透した概念とはいえません。
私たちは主にPICS-Fについての臨床研究を行いながら、学会発表や論文執筆、社会への啓蒙活動などを通じてより多くの重症患者さんとご家族の「幸せ」のために活動しています。
PICSという概念が広く日本全国に浸透し、1人でも多くの患者さんとそのご家族が救われる世の中になることを願って。
聖路加国際救命救急センター PICS対策チーム
代表:白﨑 加純