PICS-Fの予防法について確立したものは存在しておりません。
現時点でRCTが出されているのは
・ICUダイアリー
・コミュニケーションファシリテーターの存在
・弔電
・グリーフケアパンフレット
・終末期カンファレンスの実施
です。
中でもICUダイアリーの家族に対するRCTは複数発表されております。
しかし、2019年にCritical Careに発表された家族に対するICUダイアリーのシステマティックレビューとメタアナリシス(The impact of intensive care unit diaries on patients’ and relatives’ outcomes: a systematic review and meta-analysis. Crit Care 2019, 23(1):411.)では、残念ながら、ICUダイアリーのPICS-Fに対する有用性は示されませんでした。
PICS-Fの予防について考える上でのキーワードは「患者家族の満足度」と「病状に関する理解度」です。これらの向上のためには医療従事者と家族とのコミュニケーションが大事になってきます。上に挙げた介入はどれも医療従事者と家族とのコミュニケーションを改善させるためのもにになります。
また、単一の介入には限界があり、複数の視点からの介入が重要であるとされています。
よって、今後は、これらの介入を組み合わせ、ICU入室中から退院後まで多方面からの継続的な介入(PICS-F予防バンドル)の提唱が必要であると考えられます。